投資家のうまい考え

寄り付き」と「大引け」の違いとは何か。あなたはきちんと答えられますか?

冒頭画像に答えが載せているので、「分からない」という方は居ませんよね笑

投資をしている方にとっては常識ですが、兼業投資家と専業投資家が活動する時間帯はちがいます。

アマチュアは本職に専念しなければならないため、日中に取引ができません。そのため、前日の夜や、当日の朝のうちに注文を済ませておく…ということが多いです。

アマチュア=素人ですから、寄り付きの価格は極端になりがち。例えば、「安すぎる」「高すぎる」価格で取引されることが多いんです。

一方で、プロは投資が本職であるため、主に日中に取引を行うこととなります。アマチュアの行動特性も理解していますから、「理不尽な株価」を日中に修正します。こうやって、アマの資金が食い物にされてしまいます。

ただし、プロは社内の規定により「危ないから翌日に株式を持ち越してはならない」というルールを設けている場合があります。日中にポジションを整理しなければならないため、大引けにてポジションの大部分を決済することとなるのです。

これらの事実を踏まえて考えてみると、

アマチュアでも上手く利益を残せると思いませんか?

 

1. 寄り付き=アマチュア、大引け=プロ

寄り付き=アマチュア、大引け=プロ

冒頭でも述べましたが、アマチュアの投資家は前日の夜〜当日の朝のうちに全ての注文を済ませる傾向があります。ですから、寄り付き(=9:00)に株式を購入/売却することが多く、寄り付きは過剰な価格をつけがち。

一方で、プロは「取引時間外にまで株式を保有して、余計なリスクをとってはいけない」という規定を持っている場合があり、大引けまでにポジションを決済する傾向があります。

これらを無理やり言い換えれば、「寄り付き価格はアマチュアが決め、大引け価格はプロが決める」と言ったところです。

さらに深く言及すると、

  • アマチュアは楽観的で、寄り付きに株を買いやすい
  • プロは悲観的で、大引けに株を売りやすい

とも考えられます。(あくまでも、私の予想ですが…。)

 

2. オーバーナイトする投資家にはプレミアムが付く。

オーバーナイトする投資家にはプレミアムが付く。

「オーバーナイト(=翌日まで株式を持ち越すこと)」にはリスクがつきまといます。

前項のとおり、アマチュアは楽観的でプロは悲観的であると考えられます。ですから、大引け→寄り付きの価格にはギャップができて当然。

実際、大引け→寄り付きの株価変動には一定の傾向があり、平均して0.06%株価が上昇するという統計的事実があります。

プロにはできないがアマにはできる投資手法…。オーバーナイトは、アマチュアだけの特権であるとも言えるでしょう。

 

3. 急騰した銘柄ほどプレミアムも大きい。

ボラティリティが大きいほどプレミアムも大きい。

急騰した銘柄ほどプレミアムが大きいと考えられます。

これは、悲観的なプロの行動特性を加味すると、理解しやすいでしょう。

つまり、

  • 「値動きが激しいのだから、オーバーナイトするなんてとんでもない。
  • 「株価が上がったのだから、ダウンサイドリスクが増えるじゃないか。

というプロの危機感が、プレミアムを大きくしていそうじゃありませんか?

では具体的に、日中の値動きとプレミアムに相関はあるのでしょうか?

あなたもきっと気になっているでしょうから、統計解析して確かめてみました。対象として調べたのは、直近15日間の平均売買代金が5億円以上の銘柄群。仕手株は危険が伴いますから、株価が250円以上のもののみに限定しました。また、対象市場は東証一部、二部、マザーズ、JASDAQの4市場です。

条件をまとめると、以下のとおり。

  • 直近15日間の平均売買代金が5億円以上
  • 直近の終値が250円以上
  • 東証一部、二部、マザーズ、JASDAQの4市場が対象。

そして、得られた相関は以下のグラフのとおりとなりました。

日中の株価変動と大引け〜寄り付き間の株価変動の相関-1.2-0.60.00.61.220以上15~2010~155~100~5-5~0-10~-5-15~-10-20~-25-25未満大引け価格→寄り付き価格の平均株価変動率(%)終値始値)÷始値(%)
終値始値)÷始値(%)大引け価格→寄り付き価格の平均株価変動率(%)
20以上0.99
15~201.04
10~150.78
5~100.35
0~50.07
-5~00
-10~-5-0.23
-15~-10-0.14
-20~-25-0.65
-25未満0.04